マーティン・スコセッシ 全作品ガイド|代表作と配信先まとめ【2026年6月最新】
マーティン・スコセッシ監督の代表作17本を年代順に整理。『タクシードライバー』『グッドフェローズ』『ディパーテッド』など主要作の受賞歴と最新配信状況、作家性の核心、必見の5本を解説する完全ガイド。
目次
結論:スコセッシは「罪と贖罪のアメリカ映画」を更新し続ける現役巨匠
マーティン・スコセッシ(1942年生)は、ニューハリウッドから半世紀以上にわたって最前線に立ち続けるアメリカ映画の生ける伝説。リトル・イタリーで育ったカトリックの原体験を、犯罪・暴力・男性の自己破壊という主題に昇華させてきた。2006年『ディパーテッド』で念願のアカデミー作品賞・監督賞を獲得し、2023年『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』では史上最年長クラスの監督賞候補となった。
本記事ではスコセッシの代表作17本を年代順に整理し、受賞歴と最新の配信状況、作家性の核心、特に観るべき5本を解説する。
スコセッシ代表作一覧(17本)
| 公開年 | タイトル | 主な受賞 | 配信状況(2026年6月時点) |
|---|---|---|---|
| 1973 | ミーン・ストリート | 全米批評家協会賞 助演男優賞 | 公式で要確認 |
| 1976 | タクシードライバー | カンヌ・パルムドール | U-NEXT見放題/Netflix見放題 |
| 1980 | レイジング・ブル | アカデミー賞主演男優賞・編集賞 | U-NEXT見放題 |
| 1982 | キング・オブ・コメディ | BAFTA脚本賞ノミネート | 公式で要確認 |
| 1985 | アフター・アワーズ | カンヌ監督賞 | 公式で要確認 |
| 1988 | 最後の誘惑 | アカデミー監督賞ノミネート | 公式で要確認 |
| 1990 | グッドフェローズ | ヴェネチア銀獅子賞/アカデミー賞助演男優賞 | U-NEXT見放題 |
| 1993 | エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事 | アカデミー賞衣装デザイン賞 | 公式で要確認 |
| 1995 | カジノ | ゴールデングローブ主演女優賞 | 公式で要確認 |
| 2002 | ギャング・オブ・ニューヨーク | ゴールデングローブ監督賞 | U-NEXT見放題 |
| 2004 | アビエイター | アカデミー賞5部門受賞 | 公式で要確認 |
| 2006 | ディパーテッド | アカデミー賞作品賞・監督賞 | U-NEXT見放題 |
| 2010 | シャッター アイランド | サターン賞ノミネート | U-NEXT見放題 |
| 2011 | ヒューゴの不思議な発明 | アカデミー賞5部門受賞 | U-NEXT見放題 |
| 2013 | ウルフ・オブ・ウォールストリート | ゴールデングローブ主演男優賞 | U-NEXT見放題 |
| 2016 | 沈黙 -サイレンス- | アカデミー賞撮影賞ノミネート | U-NEXT見放題 |
| 2019 | アイリッシュマン | アカデミー賞10部門ノミネート | Netflix独占配信 |
| 2023 | キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン | アカデミー賞10部門ノミネート | Apple TV+見放題 |
※配信状況は2026年6月27日時点。変動するため視聴前に各サービス公式で再確認を推奨。
出典:映画.com マーティン・スコセッシ受賞歴/Wikipedia Martin Scorsese filmography/U-NEXT公式/Netflix公式/Apple TV+公式
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マーティン・スコセッシ プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | Martin Charles Scorsese |
| 生年月日 | 1942年11月17日 |
| 出身地 | アメリカ・ニューヨーク市クイーンズ |
| 学歴 | ニューヨーク大学映画学部(1964年学士/1966年修士) |
| 長編デビュー | 1967年『ドアをノックするのは誰?』 |
| 主な受賞 | アカデミー監督賞、カンヌ・パルムドール、ヴェネチア銀獅子賞、ケネディ・センター名誉賞、高松宮殿下記念世界文化賞 |
シチリア系イタリア移民の家庭に生まれ、リトル・イタリーで育った。喘息のため屋外で遊べなかった幼少期に映画と信仰に深く傾倒し、当初は神父を志したという経歴を持つ。1973年『ミーン・ストリート』でロバート・デ・ニーロと初タッグを組み、以後半世紀にわたって組み続けている。映画史保存活動「フィルム・ファウンデーション」を主宰し、世界中の古典映画修復にも私財と時間を投じている現役巨匠だ。
出典:Wikipedia マーティン・スコセッシ/Britannica
作家性・テーマ:罪・贖罪・自己破壊する男たち
スコセッシ作品の核心は「腐敗と暴力に満ちた現実のなかで、人間としての倫理と善良さをいかに保つか」という問いに尽きる。
第一の柱は犯罪世界の生々しい肉体性。リトル・イタリーで実際に目撃したマフィアの空気を、『ミーン・ストリート』『グッドフェローズ』『カジノ』『アイリッシュマン』へと繰り返し注ぎ込んできた。暴力は装飾ではなく、登場人物の倫理が崩れていく過程そのものとして提示される。
第二の柱はカトリック的な罪と贖罪。『タクシードライバー』のトラヴィスも『レイジング・ブル』のジェイク・ラモッタも『沈黙 -サイレンス-』の宣教師も、自らの罪と神の沈黙の前で身悶える人物として描かれる。神父を志した過去がそのまま映画の骨格になっている。
第三の柱は革新的な編集と音楽演出。高速トラッキング、長回し、ジャンプカット、フリーズフレーム。そしてローリング・ストーンズをはじめとするロック/ポップスを「ギリシャ悲劇のコロス」として鳴らす手法。編集者セルマ・スクーンメイカーとの長期コラボがこのリズムを支え続けている。
ロバート・デ・ニーロと10作、レオナルド・ディカプリオと6作。同じ俳優の身体を長期間追いかけることで、男性主人公の野心・嫉妬・自己破壊が時代を超えて変奏されていく。これがスコセッシ作品をひとつの巨大な連作として読ませる仕掛けだ。
特に観るべき5本
1.『タクシードライバー』(1976)
ベトナム帰還兵タクシー運転手トラヴィス・ビックル(デ・ニーロ)が、夜のニューヨークの腐敗を見つめながら狂気と暴力へ堕ちていく。カンヌ・パルムドール受賞。バーナード・ハーマンの遺作となったサックスのテーマ、「You talkin’ to me?」の鏡前モノローグ、終盤の血まみれの長回し。70年代アメリカ映画の到達点であり、スコセッシ入門の絶対的1本。
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2.『レイジング・ブル』(1980)
実在のミドル級王者ジェイク・ラモッタの栄光と転落をモノクロで描いた伝記映画の傑作。デ・ニーロが減量と増量で肉体を作り替えた怪演でアカデミー主演男優賞を受賞。スクーンメイカーの編集も同賞を受賞しており、ボクシングシーンのカット割りは映画史の教科書となった。
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3.『グッドフェローズ』(1990)
実在のマフィア、ヘンリー・ヒルの少年期から転落までを、ローリング・ストーンズを鳴らしながら疾走感だけで突き抜けるギャング映画の到達点。コパカバーナへの長回し入場シーンは映画史に残る名場面。ヴェネチア銀獅子賞、ジョー・ペシのアカデミー助演男優賞受賞作。
→ U-NEXT見放題で配信中。出典:映画.com
4.『ディパーテッド』(2006)
香港映画『インファナル・アフェア』を翻案し、ボストンのアイルランド系マフィアと州警察に潜入する二人の男(ディカプリオとマット・デイモン)の対決劇に組み替えた。第79回アカデミー賞で作品賞・監督賞・脚色賞・編集賞の4部門を制覇。スコセッシ念願の監督賞戴冠作。
→ U-NEXT見放題で配信中。出典:Filmarks
5.『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2023)
1920年代オクラホマで起きたオーセージ族連続殺人事件を、デ・ニーロとディカプリオを軸に3時間26分で描く反西部劇の大作。アカデミー賞10部門ノミネートで、スコセッシは80代で監督賞候補となった。Apple TV+独占配信。先住民から富を奪う構造の暴力を「ウェスタンの神話」と真っ向から衝突させており、西部劇の歴史を再点検したい人にとっての必修科目だ。
→ Apple TV+見放題で配信中。出典:Apple TV+公式
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まとめ:半世紀の連作として観る
スコセッシ作品は単体でも傑作だが、半世紀にわたる連作として観ると景色が変わる。『ミーン・ストリート』のチャーリーが『グッドフェローズ』のヘンリーになり、『カジノ』のエースを経て『アイリッシュマン』のフランクへ老いていく。同じ俳優、同じ主題、同じ街。罪を背負った男たちが贖罪を求めて彷徨い続ける巨大な物語が、現役で更新中だ。
まずは『タクシードライバー』から入って、年代順に辿るのがおすすめ。U-NEXTを軸にNetflixとApple TV+を併用すれば、ほぼ全主要作にアクセスできる。配信状況は変動するため、視聴前に各サービスで再確認してほしい。